神々が愛した楽園~Belle Isle~
神話は
生まれ…
伝説は
語られ…
歴史は
唯記される──
嗚呼…
物語は
詠うように
紡がれ
続ける……
(Belle Isle)
死を
抱き
眠る
冥闇の
水面を
渡り
揺れる
焔…
その
灯火を
生命と
呼ぶなら →
言葉は
力と
成るでしょう…
何時しか
其処に
奪う
者と
奪われる
者も
生まれた…
たっだひとつを
天秤に
架けて →
争いは
廻るでしょう…
故郷を
喪った
仔らは
忘れない…
父の
無念も…
母の
哀しみも…
嗚呼…
遠き
大地を…
少年はやがて
剣を
取るでしょう…そしてその
剣が
折れても…
またその
仔らへと
託すのでしょう…
遥かなる《
年月》の
祈りを…
(Belle Isle)
平原は
荒れ
果てて
砂漠と
化し…
海原は
立ち上がり
大地を
呑む…
災厄の
根が
幾重にも
絡み
合い…
異なる
世界を
繋ぐ《
門》は
開かれる…
敵の
憎悪は
同情を
遥かに
凌ぎ…
侵略ではなく
完全なる
破壊を
望む…
氷と
焔の
相容れない
宿命のように「
神々が
愛した
楽園」は
戦場へと
変貌した……
屍を
積み上げて ←
土台は
築かれる…
脆く
儚い
現実は…
瓦礫の
城
亡骸の
頂きに ←
平和は
咲き
誇る…
甘く
拙い
幻想は…
硝子の
色
恐怖を
差し
出ぜば…
狂気が
降り
注ぐ…
共存の
道を
蹴って…
猜疑は
爪を
研ぎ…
正義は
牙を
剥く…
定規を
捩じ
曲げたまま──いずれ…
少年は
白き
翼を
得るでしょう…そしてその
翼が
折れても…
またあの
空へと
詠うのでしょう…
愚かなる《
人々》の
願いを…
嗚呼…
少年は
黒き
剣を
取るでしょう…そしてその
剣が
折れても…
またその
仔らへと
託すのでしょう…
遥かなる《
年月》(どき)の
祈りを……
少年は
手に『
剣』…
背に『
翼』…
瞳に『
未来』を──
(Belle Isle)
嗚呼…
物語は
頁(ページ)を
捲るように
紡がれ
続ける →